第4戦 Megabass&nada. CUP 結果

 Megabass&nada. Cup CONTENTS | STORY | PATTERN | 4th STAGE RANKING |

   

 

HOT2018 第4戦 Megabass&nada. CUP

 初の12月開催となったHOT2018最終戦。
 が、しかし、である。どうしたことか寒くない。12月?というよりいつもの最終戦である11月上旬の方が寒いと感じるほどまったくもって寒くない。それもそのはず、HOT当日朝の気温は10.2℃もあり、最高気温も18.9℃という異例の暖かさとなったのである。というよりも、今年は11月中に木枯らし一号なるものが吹かず、ずっと暖かく季節が1ヶ月以上遅れている状況での最終戦となってしまった。本来であれば朝は氷が張るくらいの気温と、北西の季節風が吹き完全防寒の装備でフィールドに出ることを想定していたためかなり拍子抜け…。

 実は今回、初めて12月開催とした理由は第3戦のストーリーでも少し触れたのだが以下の通りである。
 (1) 例年11月上旬のHOT最終戦が終わると浜名湖のデイゲームは終わりという流れを変えたかった
 (2) 真冬でも釣れることを証明したかった(新たなパターンを確立したい)
 (3) 過去情報が無いシーズンを釣ることで参加者の「探すチカラ」を伸ばしレベルアップにつなげたかった
 (4) シーズンが長くなることでスポンサー各社様への利益還元につなげたい

 

 もっと言うと…れまでの経験上、冬の実釣は本当にアングラーのレベルが上がるのである。筆者がバスプロ駆け出しだった頃に河口湖でウインターシリーズという真冬のトーナメントがあり、あの極寒ナチュラルハイランドレイクで開幕戦が1月上旬、最終戦が3月下旬という修行のようなシリーズ戦が存在したのだが、このトーナメントは凄かった。それまでの常識を覆すようなパターンが次々と出てきたばかりか、エントリーアングラーの強さもその後際立ったのである。その再現をHOTで狙った、というのもひとつの思惑であった。

 が、この原稿を書いている12月4日は各地で25℃を超える夏日を記録しており、完全に異常気象の冬となったためまた来年も日程を調整し、再度ホンモノのウインターパターンを明らかにしていきたい。

 

メインスポンサーは『Megabass&nada.』

 今回のメインスポンサーはまず、こちらも第3戦に引き続き第1回のHOTから全戦においてサポートし続けていただいております『Megabass』さま。
 あまりにも有名すぎて説明不要の世界的ルアーメーカーであり、HOTにおいてもこれまで数え切れない回数の表彰台を『Megabass』製のルアーとロッドが獲得していることは誰もが知るところである。その中でも特に入賞率が高い製品が「X-80」シリーズと「CUTVIB」シリーズであろう。双方ともに難しいテクニックは必要なく、キャスト&リトリーブのみで明らかに深いバイトを得ることができるため誰もが簡単に扱える浜名湖最強ミノー&バイブレーションのひとつと言うことが出来る。そしてどんな状況でもマッチする、いや浜名湖でテストしたからこそ完全にマッチするロッドが「シルバーシャドウ」シリーズでありその進化は決して止まることがないのも魅力である。

 そして、共同スポンサーは『nada.』である。浜名湖最強アングラーの黒田プロが開発に携わり、そしてデビュー後すぐにセンセーショナルな釣果であっと言う間に浜名湖の定番となったテッパンバイブ「SPARROW」は、樹脂製バイブとはひと味違った波動で浜名湖シーバスを魅了。その実力に惚れ込むアングラー続出で発売後最短で超定番ルアーとなった。今後の展開にも要注目のブランドであり、浜名湖アングラーにとっては最も信頼できる1軍ルアーの筆頭であるため目が離せない!

 

前日までの浜名湖

 前述のように寒いと感じる日がそれほど多くなく前日まできてしまった12月初開催のHOT最終戦。それでも気温は徐々に下降しているため表水温は概ね15℃前後のエリアが多く、どのターゲットを狙うにしても悪いコンディションでは決してなかった。その中でも前日プラクティスでは中央航路亀の口から奥カメ付近でキーパーシーバスがイージーに釣れたり、本命視されたボトムワインドでは一時の爆発力は消えつつあるもののキビレが比較的簡単にキャッチできたりとそれなりの手応えをつかんで本戦を迎えた選手が多かった。

 ただし、この気温と水温であれば残っていても、もしくはズレていてもおかしくはない晩秋のビッグシーバスパターンは皆無であり、8キロ、10キロといった予想優勝ウエイトを口にする選手がいなかったのが今回のキーになったのも事実である。

 

当日の状況

 当日の天候は晴れで9時前後に一度曇るもののそれ以降は快晴無風となり防寒ウエアでは汗ばむ陽気。風も極々微風といった程度で初冬としてはかなり釣りがしやすいコンディション

 当日のタイドグラフは右の通り。
 潮周りは長潮で午前7時36分に干潮で潮位37cm、その後14時15分に満潮で潮位104cm。今回は日の出がいつもより遅い時期のため、安全を考慮して受付時間を遅らせたことによりスタートは8時前となり帰着は13時となった。つまり実際にはスタート後10時前まで下げ、そこから帰着まで上げというタイミングであった。

 

大本命のボトムワインド

 いつもより1時間遅い午前7時半に受付を締め切りミーティング後にフライト開始。初の12月開催ではあったが気温の高さもあって違和感なくスタート。13時の帰着ということでいつもより若干トーナメントタイムは短いが、例年の最終戦は帰着が12時なので例年通りと言えば例年通りの実釣時間となった。

 選手は思い思いのポイントへ散っていったが、最終戦の大本命パターンはボトムワインドである。12月上旬というこれまでのデータがまったくない時期においても、唯一データらしき再現性のあるパターンがこのボトムワインドでのキビレ狙いであった。一般的なシーズナルパターンではキビレが水温低下とともに奥浜名湖から落ちてくるのが秋から初冬にかけてということで、非常にスクールを作りやすく浜名湖のフラットボトムでは秋の大爆発を経験したことのあるアングラーは数多い。さらにこのパターンは厳冬期に入っても外洋に落ち切らないいわゆる「居着き」と呼ばれるキビレを狙うパターンとしても機能し、真冬でも釣れることが確認されている。このような事から、今回のHOTでは時期的にも大本命のパターンとして捉える選手は多く、実際にリミットメイクを果たした選手も多くいたのだった。

 

ボトムワインドマスター

 その中でもやはりトップに君臨したのはボトムワインドマスターの松田選手。真夏の第3戦をボトムワインドのみで準優勝、そして続く初冬の最終戦も見事5位でフィニッシュしたのである。エリアは湖西高校北側のシャローエリアをメインにプラクティスで絞り込んだ得意のピンスポット撃ちで各要所エリアをまわり入れ替えを繰り返した。表彰台ではいつも「たまたま」と謙遜する松田選手であるが、まったくそんなことはない(断言。)豊富な練習量とそこで得たデータを本戦で緻密に組み上げていくその精度こそ他を圧倒する理由である。エリア、釣り方、タイミング、状況変化、すべてを毎回違うカタチに変化するジグソーパズルのピースをあたかも変化していないような精度で射貫きピッタリと組み上げていく釣り方はやはり「たまたま」では決して出せない釣果だと、少なくとも筆者は考えている。

 さすがの2,590g!キビレ&マゴチのミックスバッグでのリミットメイクで連続表彰台となる5位入賞!松田塾の入塾希望者が来年はもっと殺到すると思いますので松田選手、よろしくお願いいたします!

 

トーナメントプレッシャー

 さて、今回最も人気が高いエリアとなったのが中央航路13番ポール付近。前日までのプラクティスではこのエリア周辺でサイズは大きくはないものの、50センチ前後のシーバスがイージーに釣れていた。3本揃えればベースウエイトとなる2キロを超えるため、まずはこのシーバスでスコアメイクを狙った選手が集結しあっと言う間に大船団となったのだ。

 しかし、この日は晴天無風というコンディションでありタイドによるカレントは効いているものの、このエリアの地形変化が乏しいのと全体的な水深が浅いためすぐにフィッシングプレッシャーが強烈にかかりシーバスの活性を著しく下げたのは言うまでも無い。ただ、魚そのものが消えたのではないため「喰わせ方」を追求できていた選手のみが連発するという結果となったのである。

 

実力者のテクニック、と思われがちだが…

 その船団の中でスタート直後からリズム良くロッドを曲げていたのがHOT2016年間チャンプの鈴木孝啓選手であった。前日までのプラクティスでシーバスのポジションとクセをある程度掴んでいたはずではあるが、プレッシャーの強度は当日にならないとわからない。しかしながら、その尋常ではないフィッシングプレッシャーの中でも他の選手よりも圧倒的に魚を釣る術を持っていたのは事実だ。こう書くと実力あるアングラーのテクニックに注目されがちであるが、実はそうではないことが多い。今回最もキーだったのがシーバスの捕食レンジであり、その次のキーが口を使うルアーのアクション、であった。これらを無数にある選択肢から見つける作業がプラクティスで出来るかどうか、または刻々と変化するトーナメント中に出来るかどうかが本当に注目すべきファクターであるのだ。

 詳細は鈴木選手のレポートに掲載されるはずなのでここでは割愛するが、シーバスが反応するレンジは深め、アクションは横方向のダート、この2つをいかに早く見つけられるかどうかが重要であり、そのレンジとアクションにハマるルアーと完璧に操作できるタックルを組むこと等、すべてが揃っての結果ということになる。シーバスでリミットメイクし2,610gをウエイイン、最終戦を4位入賞でフィニッシュとなった。

 

 3位はボトムワインドでS字航路周辺のフラットを攻めた村田選手がキビレとマゴチのミックスバッグで2,690gをウエイイン!ヒットタイムがなんと3本すべてが11時からの30分の間ということで、スイッチが入ったタイミングを逃さずに勝負を決めたことがすべてであった。ここ最近ではボトムワインドへのフィッシングプレッシャーも考慮しなければならず、セッティングするヘッドは軽めでワームは小型化している傾向ではある。しかし村田選手はZZhead1/2オンスにマナティ90(アカハゼ)をセットしメインラインPE1号リーダーフロロ20lb.という非常にオーソドックスなタックルセレクトで結果を出している。ターゲットの活性が高くスイッチが入った状態であれば、やはりアピール度の高いヘビーウエイト&ハイボリュームのセッティングが強いことを証明してくれた。

 

ショアゲームからの刺客

 今回のウイニングパターンはズバリ、高活性なシーバスをタイミング逃さず狙い撃ち、であった。浜名湖を攻略する上での基本中の基本であり、それを見事に結果につなげお手本のような釣り方とウエイトで会場の度肝を抜いたのが準優勝の高柳選手と優勝の樋山選手だ。第3戦に続き同船者によるワンツーフィニッシュということでいかにそのパターンが強力だったのかが理解できる。高柳選手は普段ショアからのウエーディングゲームをメインにしており、HOT前も村櫛ミオ周辺でのウエーディングでコンスタントにナイスサイズのシーバスを連発していたとのこと。その情報をもとに優勝の樋山選手も1年半ぶりのHOT出場でさらに大会当日が今年3回目の釣行ということで気合を入れて出撃!狙い通りの村櫛周辺各スポットで高活性シーバスを3ヶ所で当てることに成功し2,850g・3,050gという他のシーバスとは明らかにひとまわり違うサイズをウエイインし栄冠に輝いた。使用ルアーはテッパン系バイブで高柳選手はnadaのスパロー14gであった。

 

 

 釣り方としてはブレイクと平行に遠投して早巻きするだけという至ってシンプルであり、さらに鳥山やボイルとも遭遇していることから絞り込んだエリアとタイミングがバッチリだったと言える。準優勝の高柳選手が普段ショアゲームで蓄積していたデータをフル活用し、優勝の樋山選手が過去の経験から的確なタイミングで移動を繰り返し少ないチャンスをモノにした、という結果であった。

 

誰にでも優勝のチャンスがある

 今回の樋山選手と高柳選手の表彰台インタビューを聞いていて、年々高度化、細分化しているHOTの表彰台パターンではあるが、決して限られた選手にしか優勝のチャンスがないワケでないことが改めて証明された。あくまでHOTは「魚釣り」である。これがゴルフなどのスポーツであったらさすがに毎日のように練習している人には太刀打ちできないだろう。言葉は適切でないかもしれないが、ポッと出てきて優勝、それが可能なのもHOTの大きな魅力であると思う。誰でも、平等に勝負ができ、勝つことができるトーナメントでありレギュレーションであるHOTだからこそ参加者全員が楽しめるのである。

 表彰式終了後、あるベテラン選手がボソッと「難しく考えすぎてたかなぁ」とつぶやき、またある選手は「基本に返るいいキッカケ」と言ってたことが印象的だった。もちろん難しく考え、精度を追求し、高度な攻めをすることは成長につながるが、やはり浜名湖というフィールドの基本を忘れてはいけないということが改めて理解できた最終戦であったのではないだろうか。

 

今回のウエイインターゲット内訳とヒットタイム

 最終戦のヒットタイムは以下の通り。分析がなかなか困難なほどに釣れたターゲット4魚種はまんべんなく釣れている。あえて特筆するなら、潮が下げから上げに変わる10時半まではシーバスがやはり好調だったことと、キビレ&マゴチをボトムワインドで狙うアングラーが10時半以降増えたためかヒットルアーにワインドを挙げている選手が多かった。

 早い時間帯にはシーバス狙い、その後ボトムワインドに切り替えたという戦略を取った選手が多かったようである。もうひとつ気になったのがクロダイがウエイインされなかったこと。これは第3戦まではシャッディングで結果を出していた選手が複数いたが、今回は皆無だったことが関係している。春先から真夏にかけても有効なシャッディングが、最も効果的であろうこの時期に誰もやっていない、もしくは全然結果が出なかったというのは正直驚きである。杭などのタテスト攻略パターンも消滅していたことも大きかったのか、釣れた傾向よりも釣れなかった傾向を知ることで来季のヒントがそこに隠されているのではないか?とこの表を見て考えてしまった…

  キビレ クロダイ マゴチ シーバス ヒラメ
~8:30 3   1 2 2
~9:00 1   1 3  
~9:30 2   1 3  
~10:00       3 3
~10:30 3     3  
~11:00 1     1  
~11:30 4   2   3
~12:00 1   1 3 1
~12:30 2   3    
~13:00 1        

 ターゲット別のヒットエリアは以下の通り。亀ノ口周辺からS字、村櫛ミオにかけてのラインが今回のキーエリアだったことは間違いない。そしてキビレに関しては予想通り中央航路から鷲津航路の広いフラットエリアに魚が散っていたことがうかがえる。ヒラメに関しては稚魚放流の効果? ノンキ―サイズも異常に多かった。

  キビレ クロダイ マゴチ シーバス ヒラメ
庄内湖         2
中央航路 6       2
表浜名湖         2
村櫛ミオ 2   1 5 1
東名橋脚       1  
亀ノ口     3 9 1
鷲津航路南 7   3 1  
S字航路 3   2 2 1

 

年間チャンプは黒田選手

 そして年間チャンプは有言実行で宣言通り勝ち取った黒田選手!今年は常に安定したスコアメイクが目立ち、一発優勝の釣りよりも年間ランキングを意識したゲーム展開が多く、最終戦も苦しみながらもまとめてくるあたりがサスガ!!ジグヘッドのクロダイ&キビレパターンは公開後も誰一人としてそのパターンを真似してウエイインできた選手がいないところを見ると、超高難度テクニックだったことが浮き彫りになったのではないだろうか。とにかくブッチギリ優勝の年間争いでHOT2018は幕を閉じることとなった。

 

 

無事に全日程終了

 14年目のHOTが今年も無事に事故もなく終了することができました。参加いただいたひとりひとりの選手の皆さま、本当にありがとうございました。皆さまの高い意識が無ければ、このような長い間大きな事故も無く開催することは絶対にできなかったと思います。心より感謝申し上げます。来年についてはまだ未定ですが、もし開催できることとなりましたら、変わらぬお力添えをよろしくお願い申し上げます。

 最後に、HOTの協賛スポンサー各社様、多大なるご支援をいただきましたこと、厚く御礼申し上げます。

 

 

 (report:小野田賢一) 
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