第2戦 オンスタックル CUP 結果

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 オンスタックルデザイン

HOTの未来を託すアングラー

 2008年6月に運営権が現在のHOT実行委員会に移ってから本当に多くの方々のご協力を得てここまでやってきたが、気が付いたらHOTの参加者がそのまま8年という年齢を重ねただけで次世代アングラーの存在は極少数となっていた昨今。それを象徴するかのように2016年開幕戦の20代参加者はたった1人。
 コレはいかん!! ということで昨年からあたためていた企画『HOTヤングアングラー応援プロジェクト』をまずは第2戦の前に開催することとなった。

 

総勢7名の若手アングラーが集結!!

 上記の企画はHOT参戦中のベテランアングラーが、第2戦の2週間前(6月19日)に一緒にボートで浜名湖へ出て釣りをしてみよう!というもの。
 なぜ2週間前かというと、HOTの本番と同じ潮周りだから。より本番を意識して魚を探したり、釣り方を見つけたり、それらのタクティクスを参加者にレクチャーし、学んでもらうのが今回の目的。
 対象者は10代~30代前半でHOT第2戦への参加が可能な方ならどなたでもOKとし、参加費はボートクラブカナル施設使用料の1,080円のみで、協力していただいたベテランアングラーの皆さんには完全ボランティアということでお願いした。いや、お願いというか、自らすすんで協力していただいた、というのが本当のところであり7名の方々に賛同していただいた。
 それに対し勇気を振り絞って参加してくれたのは7名のヤングアングラーの皆さんということで、ちょうどマンツーマンのかたちでイベント当日を迎えた。

 

朝イチ緊張の参加者も帰りには目の輝きが違った

 このイベントではまずHOTに出たこともなければ、会場のボートクラブカナルへ来たことも無いという参加者からすれば確かに少々敷居が高く、エントリーするには勇気がいるのは容易に想像できた。しかし、それもエントリー前と当日朝の5分だけで、始まってしまえば全員目を輝かせて釣りにミーティングに没頭していた。
 朝、ミーティングをして、一緒に釣りをするペアを発表し、実釣はHOTのトーナメントタイムと同じ7時~13時。帰ってきて釣果を見せ合い、その後反省会&大情報交換会、という流れで質問が出尽くすまで熱いミーティングは続いたのである。
 実際、参加者からは「思い切って参加して良かった」や「浜名湖の釣りの考え方が劇的に変わった」等々とても嬉しい感想をいただいた。

 すでに第2回のヤングアングラー応援プロジェクトもリクエストが多数寄せられており、もう一度、最終戦の前に開催できればと考えているので、このHOT公式ホームページを見ているヤングアングラーの皆さん、ぜひぜひ思い切って参加してみてはいかがであろうか。きっと新たな世界が開けるハズ!!続きはこの記事の最後にお伝えいたします。

 

大会前日までの浜名湖

 そしてHOT第2戦前日、ヤングアングラー応援プロジェクトから2週間が経過し、その間に本格的な梅雨空が続いた。しかしながら、降水量はさほどではなく、通常であれば濁りがすぐに入る都田川なども極めてクリアな状態であり、雨は降ったもののほとんどその影響は無いと言っていいコンディションとなった。
 しかしこれは、天候が安定したことからクリアな潮が居座る状況が長い時間続いているということで特にシャローのシーバスはプレッシャーの影響を受けやすい状態となっており、魚はいるが喰わない、もしくは若干ポジションが深い、と感じていたアングラーも多かったのではないだろうか。

 それとは相反するように調子を上げていたのがクロダイ&キビレである。
 季節はHOT前日イッキに真夏へと進み、大会当日は今シーズン一番の暑さとなった。
 浜名湖のブリーム2魚種をそれぞれ追いかけている選手にとっては絶好のコンディションとなったのである。

 

当日の状況

 HOT2016第2戦『オンスタックル』CUPのエントリーは58名。開幕戦と全く同じエントリー数であったが、イベントにエントリーしてくれたヤングアングラーの皆さんが初参加してくださったり、お友達を誘ってくださったおかげでここ最近ではなかった20代アングラーの多さが目立つ第2戦となった。

 そしてコンディションはというと、朝から少しだけ過ごしやすい曇り時々晴れ。しかし日中は気温は30℃を超える真夏日となった。
 朝のうちはほぼ無風~南の微風が吹き、11時を回った頃からようやく西の風が吹き出したという状況である。

 水質はほぼ普段通りの安定したものであり、特筆する変化はなかったが、例年よりもウイードの生育状況があまり良くなく、通常であれば水面まで繁茂しているエリアも今年はそこまでビッシリというわけではなく、広大な3mフラットエリアにおいても例年よりもウイードが少ない状況であった。

 タイドはというと、この日は大潮で満潮が4時01分、干潮が11時11分である。
 前回のレポートでもお伝えした通り、実際の浜名湖南エリアでの潮の動きはタイドグラフより2時間ほどの遅れが生じることから6時過ぎから下げとなり、つまりスタートから帰着の13時までずっと下げ潮、という状況であった。1日のズレはあるが、新月の大潮がどのくらいターゲットに影響を与えているのかも大きな見どころとなったのである。

 

前人未踏3度の年間チャンプ 堀選手が圧勝

 そんな状況の中始まったHOT2016第2戦。7月に開催されるのはかなり久しぶりであり、例年6月上旬に行われていたためそのパターンに注目が集まった。
 ・南エリアや奥浜名湖のシーバスはどのくらいの爆発力があるのか?
 ・クロダイ&キビレのトップゲームはトーナメント中でもパターンとして成立するのか?
 ・ビッグマゴチを狙い撃つボトムワインドパターンはウエイトを伸ばすことができるのか?
 この3つがメインとなるのは間違いなかった。

 そしてこれらのパターンを見事にミックスバッグというカタチでハメたのが優勝の堀勝次選手。
 スタート直後の庄内湖入口にてジップベイツ(バスデイジャパン)ザブラシャッド(遠州イワシ)でこの日最大となるシーバスを幸先よくキャッチ!!
 その後もシーバスの反応は続くもノンキーが続いたことからキビレ狙いのポッパーパターンへシフト。同じく庄内湖の各スポットをまわり、Rexxt s-talk(サイマキタイガー)にてキビレを連発しリミットメイク。4kgに迫る3,990gで優勝となった。

 準優勝はビッグサイズのクロダイとキビレでリミットメイクし3,880gを持ち込んだ鈴木孝啓選手。
 同選手も庄内湖にあるストラクチャーをピンポイントで狙い、「モノに着いている」フィーディング状態の個体を半サイトフィッシングで迎撃。使用ルアーはメガバス・ポッピングダック。浜名湖のクロダイ&キビレのウエイトとしては間違いなくMAXウエイトであり、タイだけで夢の4kgへあとわずかというスーパーウエイトであった。

 第3位は筆者である私、小野田賢一選手。
 猪鼻湖にある各ピンスポットをスミス・チヌペンFW(ブルーシェル・イナッコ)で狙い、キビレオンリーでリミットメイク。3,370gをウエイイン。

 第4位は開幕戦に続くお立ち台となった石塚哲史選手。
 結果的にはHOT出場選手全体で6本しかウエイインがなかった激シブのシーバスを1番筋と庄内湖で2本キャッチし3,010gをスコアメイク。使用ルアーはメガバス・X-80BEAT(GG IWASHI)とバスデイ・レンジバイブ55ES(クリアーチャート)。

 第5位はこちらも開幕戦から連続表彰台の山田義人選手。
 都筑海岸周辺の2~6m前後フラットとブレイクをボトムワインドで狙いヒラメ&ビッグマゴチを1本ずつ持ち込み2,380gをウエイイン。使用ルアーはオンスタックル・ZZHead3/8oz+マナティ90(MT-06ハゼ&10周年記念カラーMT-AN3)。

 

驚愕のクロダイ&キビレ・浜名湖トップゲームの真実が暴かれる

 浜名湖でクロダイ&キビレがポッパーで釣れると話題になって10年以上。当初は確かに反応も良く、筆者自身もエリア開拓期にほぼ全湖のシャローを叩いたが、その中でも都田川河口のサンドバーを発見した時は凄まじい反応で、雑誌取材で公開するまでの1シーズンと、その後の1シーズンは本当にすごかった。今では考えられないが、ポッパーだけで2桁釣果も珍しいことではない時代だったが、それも長くは続かずいつしか忘れ去られたように浜名湖の真夏のシャローは静まり返ったのである。

 しかしここ数年、ポッパーを使うアングラーが激減したことで状況が上向き、今回のHOTでは上位3名のメインパターンは紛れもない復活したクロダイ&キビレのトップパターンであった。しかし、そのトップパターンは長い沈黙の間にもポッパーをキャストし続けたアングラーによる大きな進化を遂げていたのである。
 そう、これまで語られてこなかった浜名湖トップゲームの真実が今回明らかになったのである。

 その進化したパターンのキーポイントは何と3つのまったく異なるファクターから成立している。

 1つ目は優勝の堀選手と3位の筆者が実践して結果を出していた要素であるが、コレは完全なるシークレットであった。
 ここでは限りなく解りやすいヒントに留めておくが、ひとつ共通しているのは狙うエリアは従来のシャローエリアだということ。狙うのはキビレであり、そのルアーの「動かし方」が最大のキーである。
 堀選手はRexxtのs-talkを極力移動距離を抑えてアクションさせており、それに対して筆者はスミスのチヌペンFWをスーパーファストなドッグウォークでクイックアクションに徹する。
 この一見すると相反する両者には決定的な共通点があるのだが、浜名湖のトップウォーター大好きアングラーならすぐにピンッとくるハズである。あまりすべてを解説してしまうと皆さんの楽しみを奪いかねないので、ぜひこの2つのルアーで試していただきたい。すぐにその共通点が理解でき、同時に強烈なバイトがあなたの動かすルアーを襲うハズである。

 2つ目は準優勝の鈴木選手が狙ったエリアと魚である。
 コレは堀選手と筆者が狙った魚とはまったく種類の違う魚であり、明らかにコンディションが上であるとともに、驚異的なウエイトの魚が釣れる確率が高い。
 キーは『タテスト』(杭などの縦ストラクチャー)である。従来のシャローフラットやウイードの変化、地形の変化で釣っていくパターンではなく、フィーディングに来るクロダイ&キビレが身を潜めるタテストを、魚影を確認しつつ撃つという極めてバスフィッシングのサイトに近い釣りである。まさにこのサイトフィッシングで鈴木選手は2kg近いクロダイを3本目にキャッチし、タイだけでは驚愕のウエイトを叩き出している。
 さらに驚くのは、そのタックルセッティングだ。そのような巨大クロダイを相手にすれば、タテストに巻かれるのはもはや避けられず、ラインがタテストに擦れても切れない強度と強引に引きずり出すパワータックルを使用していたのである。いわば『パワーポッピング』とでも呼ぶべきスタイルだ。

 そして3つ目は、惜しくも表彰台パターンとはならなかったが、6位の内山選手と開幕戦の覇者山田選手が実践していた超強力なパターン。それは、完全にイワシをはじめとする『ベイトフィッシュ』を偏食しているクロダイ&キビレを狙うというもの。
 通常の浜名湖トップゲームは必ずしも水面を意識している個体を狙うのではなく、ボトム系のベイトを捕食している個体をポップサウンドで反応させて喰わせていることが多い。事実、ライブウエルの中で吐き出したアサリの貝殻や甲殻類を見たことがあるアングラーは多いだろう。
 さらに筆者がよく狙うのはアオミドロのようなドロッとしたものが繁茂しているエリア。誰も撃っているのを見たことがないが、実は潮が動かない一見すると超汚いエリアではこのアオミドロ系の藻類を喰っている個体がいるのだ。今回のHOTではリミットメイクとなった3本目がこの個体で、デッキ上が吐き出したアオミドロと、肛門から排泄されたミドリの糞で大変なことになった(笑)。…少々脱線したが、通常釣っているのはこういったタイプの魚である。

 しかし今回、内山選手と山田選手はこの『ベイトフィッシュ』に着く魚を執拗に狙ったのだ。内山選手は庄内湖でレンジバイブ55ES、山田選手は猪鼻湖でビズラとシャッドをローテーションさせスコアメイクしていた。
 まったく違ったエリアの両者だが、その狙いは同じであり、内山選手は不思議とポッパーには反応が悪かったというが、山田選手は激しいボイルにも遭遇しており明らかに水面を意識している個体だと理解できる。
 こういうシチュエーションは広島のイワシ偏食パターンに近いものがあり、変則的な浜名湖独特のトップパターンと言えるだろう。

 

『最強』の称号はやはりボトムワインド



 そんな上位のトップパターンであるが、第2戦で忘れてはいけないのが冠スポンサーである「オンスタックル」の代名詞『ワインド』である。
 ここ浜名湖では、ご当地テクニックとして爆発的に広がった〝ボトムワインド〟が今や全国のフィールドに波及しており、各地でその実力がアングラーや遊漁船のキャプテンに認められている。そんなボトムワインドが今回のHOTではどうだったのか?というと、紛れもない主役であり【浜名湖最強ルアー】の称号は誰がどう見ても異論は無いハズである。
 マゴチ・キビレ・シーバス、時にはクロダイ、そしてヒラメ、とHOTのターゲットはすべて釣ること可能であり、ボトムワインドが出現する以前は考えもしなかった真冬でも釣れるルアーとしてオールシーズン君臨しているのである。

 今回の表彰台メンバーのうち、ボトムワインドをメインパターンに組んだのは5位の山田選手のみであったが、魚をウエイインしたのは58名中22名(ウエイイン率37.9%)ということで、ここ数年ではかなり厳しい結果となった。
 驚愕なのはここからで、その22名中ボトムワインドで釣ってきたのが11名、全体で46本の魚が持ち込まれたが実に23本がボトムワインドでの釣果であった。
 仮にボトムワインドが無かったとするとゾッとするウエイイン率であり、いかに現在の浜名湖において強力な武器になっているかがわかるだろう。

 もう少し細かく分析すると、ボトムワインドでキャッチされた魚はマゴチが18本、ヒラメが4枚、シーバスが1本であり、使用したZZheadのウエイトが以前よりライトになっているのが特徴である。
 23本中17本が3/8oz、6本が1/2ozであり、組み合わせたマナティのサイズは11本が90、9本が75、3本が86となった。さらにカラーであるが、ハゼ系・レッド系・ゴールド系が強く、8本がMT-6ハゼ、4本がMT-28アカハゼ、4本がMT-4アカキンであった。

 そして特筆すべきが今回キャッチされたマゴチのサイズである。
 例年6月上旬に開催されていたHOT第2戦は、ちょうど水温が23℃前後になりマゴチのスポーニングと重なるため、どうしてもビッグママが産卵行動に入ってしまいルアーにまったく反応しなくなる時期でもあった。しかし、今回は7月開催ということで、アフター回復の個体がキャッチされ、久々にビッグマゴチ見参となりウエイイン会場は大いに盛り上がった。
 浜名湖のポテンシャルとボトムワインドの威力を改めて実感する大会となったのである。

 

今回もやります!! HOTだから解る!! 驚愕のヒットデータ

 開幕戦で初めて公開したヒットデータ、予想以上の反響をいただき正直驚いたが、やはりここを見に来ていただいている方々は非常に勉強熱心だということを改めて感じたので今回もHOT参加者全員のご協力を得ることができたのでまとめてみました!!

 第2戦の特徴としては様々な魚種が釣れているがメインはボトムワインドのマゴチ、次いでトップパターンのクロダイ&キビレ。最後に数は少ないモノの勝負を決めるシーバスという構図となった。潮周りはハイタイドの下げであり一般的にはシーバスに有利な潮であるが、天気・風・潮の透明度・人為的プレッシャー等すべてを考慮した結果がHOT第2戦のリザルトに表れているのである。

キビレ クロダイ マゴチ シーバス ヒラメ
~7:30 3 1 1 1 1
~8:00   1 4    
~8:30 2   3 1  
~9:00 1   1    
~9:30 1   2 1  
~10:00 2   3   3
~10:30     1 1  
~11:00     2 1  
~11:30 1   1    
~12:00 4 1 4 1  
~12:30          
~13:00          

 この表が58名でキャッチし、ウエイインされた魚種とヒットタイムである(マゴチのみ入れ替えした魚を含む)。今回に限って言えばどの時間帯も満遍なく釣れている、という分析する側にとっては少し面白くないデータとなった。
 しかし、その「満遍なく」こそがこういったデータを実際に取ってみないとわからないことであり、このデータはある意味浜名湖を知っているアングラーからすれば目から鱗の貴重なデータである。

 もう一度当時のコンディションを振り返ってみよう。
 潮は大潮の下げで満潮4:06(119cm)干潮11:15(11cm)ということでスタート7時、帰着が13時のHOTはトーナメントタイムはずっと下げ潮であった。ということは大きなカレントの変化はなく潮位だけが下がり続ける状況であったため、まず言えるのは潮替わりによる捕食行動が無かったという事実。

 そして天候は薄曇り時々晴れで風は9時頃までほぼ無風、それから南の微風、11時40分頃からやや強い西の風となった。天候も大きな変化はなかったが、唯一挙げるとすればお昼前に吹き出した西風がチャンスメイク要素となった可能性があることくらいであろうか。
 この時間にキビレが明らかに多くヒットしている反面、風を重要視するシーバスはノーヒットとなっており、これは風よりも人為的プレッシャーが勝ったと考える方が妥当であろう。もともとシーバスはプラの段階から厳しいコンディションが伝えられていたので、このあたりも影響があったと思われる。

 そしてマゴチについては、こういった状況変化に乏しいトーナメントタイムではいつヒットしてもおかしくないため、とにかく集中して攻め続けることが重要だとわかる結果となった。

 

年間チャンプの行方と選手を守る運営について

 さて、無事に今年も折り返し地点を通過したHOTも後半戦に9月から入る。
 現在のところ年間チャンプ争いは開幕2戦連続で表彰台に立っている石塚哲史選手と山田義人選手がひとつ抜け出しているが、まだまだわからないのがHOTでありこれまでも数々のドラマが起こってきた。今回優勝の堀選手も前人未踏の4度目の年間チャンプを十分狙える位置であるし、開幕戦優勝の山田選手もまだまだ諦めるには早い。

 その山田選手であるが、今回の第2戦では魚を釣っていたもののウエイインは認められず失格となったのでここで報告をさせていただくこととする。会場では詳細を説明し、選手本人も運営サイドに理解を示していただいたことから、今回については年間ランキングに関わるポイントもノーポイントとさせていただいた。

 何があったのかというと、山田選手のボートがエンジントラブルにより猪鼻湖でストップしてしまったのである。魚をすでに2本キープしていたのでウエイインをするため、たまたま山田選手のボートをランチングしているマリーナが近くにあったため、そこまでエレキのみで辿り着き、ボートを揚げて車で牽引して会場のカナルまで来て帰着申請をした、というものである。

 一見特に問題ないように思うし、まぁそれくらいいいじゃん、というのも理解できる。しかし、HOTの競技規定・第2章・第18条3)に、「競技中は原則として大会本部となるボートクラブカナル以外に上陸してはならない。」とある。このルールの根本的な意味は、「完全に選手を守るため」のルールであることを皆様にはお伝えしたい。
 なぜ、このようなルールがあるかというと、上陸または係留しているボートに触れて半上陸状態となればそこで何をしたか疑いをかけられても何ら不思議ではない、ということである。
 特に今回この間違いをしてしまった選手が昨年から連勝中の山田選手だったこともあるが、同選手の努力を最も知っているのも運営サイドであり、山田選手をみすみすこの危険な状況でウエイインを認めてしまうということはあまりにも無責任であるという結論に達したので失格とさせていただいた。無断で上陸してしまえば不正をしてもわからないし、そういった疑いをかけられることが山田選手本人にとって非常にリスクの高いものであり、それを守るのが運営サイドの役目でもある。
 今回は厳しい選択をしなければならず、山田選手がHOTに注いできた努力と割いてきた時間を考えると非常に心苦しかったが、説明後に納得していただき、会場でも一緒に皆さんの前で説明させていただいたことに感謝!!

 では、同じような状況になった場合どうすればいいか?コレはエンジントラブルが起きた時点でまず運営本部であるボートクラブカナルへ電話連絡をし、迎えに来てもらうことで解決できる。もちろんレスキュー要請となりボートを曳航することから費用はかかるが、このような対応で大会としてはウエイインを認めることとなる。

 というわけで、山田選手はゼロポイントであるが、残り2戦を両方勝てば年間ポイントは120Pで十分年間チャンプ争いができるので、ぜひ大逆転に向けてがんばっていただきたい。

 

ヤングアングラー応援プロジェクトの効果?

 今回の第2戦には、ヤングアングラー応援プロジェクトに参加していただいたメンバーにも出場いただいた。その中でも最年少10代の伊藤彰選手が最高位の10位入賞と奮闘。他のメンバーもウエイインに魚を持ち込むもギリギリで検量対象外のノンキーパーだったりと、今までとは違ったアプローチで釣りを組み立てる選手が多くなり今後が非常に楽しみである。

 今のところ未定ではあるが、このイベントの第2回をHOT2016最終戦の前にもう一度開催する方針なので、ぜひ興味のある方はご参加いただければと思う。
 次回は年齢制限はせず、HOTに出てみたい、とか、以前にHOTに出てたけど釣れなかったので最近は出ていない、とか、浜名湖のボートフィッシングを勉強したい、等々HOTを通じて浜名湖を盛り上げてくださるアングラーの方々を募集したいと考えています。もちろん基本はヤングアングラーが優先ですが、ぜひその他の方々も応募いただければ幸いです。
 詳細が決まり次第このホームページで告知いたしますのでよろしくお願いいたします。

 

 (report:小野田賢一) 
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