第2戦WIND STYLE CUP 結果
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HOT2013第2戦!
HOT 2013 第2戦WIND STYLE Cup
天候の不安定な開幕戦から早くもHOT中盤の第2戦。
今年の春はよくわからない季節の進行具合で、3月に急激な暖かさでかなり早い桜の開花を迎えたと思ったらその後は気温が低下。GWに突入しても早朝の最低気温は連日10℃以下という異常事態に…。平均水深が浅い浜名湖では5月上旬でも3月下旬並みの水温のエリアが見られた。
そして5月中旬、急激に暖かくなったと思ったらあっとう言う間に梅雨入りとなり6月2日のHOT第2戦を迎えた。
● 今回の冠スポンサーは『WIND STYLE』。
ここ数年、浜名湖で大ブレイクし全国的に広まりつつある「ボトムワインド」。このテクニックが登場してからHOTのウエイイン率は飛躍的に向上し、浜名湖でも過去これほど季節や時間帯、ターゲットの枠を超えて『釣れる』ルアーは存在しなかったのではないか?と思わせるには十分な実績を誇るのがオンスタックルの『ZZHead』と『マナティ』である。その釣果はオリジナルだからこそ他の追随を許さない圧倒的な実力で浜名湖アングラーに支持され続けている。
● 前日までの浜名湖の状況
HOT第2戦1週間前、大潮が絡んだこともありプリプラクティスに出た選手からは「シー爆」の情報が飛び交っていた。筆者自身もプラであることを忘れるほどの連発に遭遇しており、確認できただけでも相当数のシーバスが浜名湖内に入っていることを実感し、同じような状況把握をした選手が多かったのではないだろうか。水温も20日間で約10℃上昇し様々なターゲットがフィーディングに入りやすい22℃前後をキープ。
HOT第2戦3日前まではこの「シー爆」な状況が続いていた。
それとは対照的にマゴチやキビレといったボトム系ターゲットは絶不調に陥っていた。マゴチに関しては入湖が少ないのか絶対数が少ないのか、明らかに昨年までの同時期とは釣れ方が違う。これはルアーやテクニックがどうこうよりも個体数の問題であることは明白であった。
そしてキビレについてはとにかく「動きが早い」という印象。爆発したかと思えば次の日には沈黙…といった具合に、それなりに魚は確認できるものの絶対的なエリアを絞り込める状況ではなかった。
● 当日の天候
ここ最近HOT当日に天候が急変することが多く、特にその風には悩まされるのが通例であるが、風によって突如フィーディングスイッチが入ったりと時にはチャンスメイクもできるのが気象の変化。
しかしながら今回に限ってはその変化がほとんどなく、朝から薄曇りで無風から微風。いつもなら強風となるお昼近くになっても弱風という釣りをすることだけを考えればこの上ないコンディションではあったが…。アングラーは釣りがしやすい分、波立たない水面にフィッシングプレッシャーは急上昇。特にシャローのシーバスパターンには壊滅的な打撃となり、緩いカレントの小潮という状況も重なって数日前の「シー爆」は沈黙となる。
● 参加者の思惑
当日の受付は86名。それぞれの思惑を胸にフライト時間を迎えるのだが、今回は本当に様々なエリア、様々なパターンのエリアにボートが散った。
まずは情報がまわっていたシーバス。チャンスとなる下げの時間帯が午前9時くらいまでということで朝イチに南エリアのシャローで勝負をかける選手と、極少数の奥浜名湖でビッグシーバスの動きを捉えていた選手も存在した。
そしてボトムワインド組は参加艇のほぼ半数。広いフラットエリアに思い思いの攻めで数少ないビッグマゴチやキビレのスクールを追った。
さらにもうひとつが密かに爆発していたというキビレのポッパーパターン。庄内湖を中心に数艇がその動きを捉えていた。
● 天候とロータイドが導いたフィッシングプレッシャー
今回シーバスがキーとなることはプリプラからの段階で把握している選手が多く、それは紛れもない事実であった。前日からは「釣れない」という情報に変わったが、それはシーバスがいなくなったのではなく、ルアーに対して反応が悪くなった「釣れない」であることにどれだけの選手が気付いていたかである。
しかも当日のコンディションは前述した通りの天候であり、複数のボートが狭いエリアを繰り返し叩いたことからフィッシングプレッシャーがMAXになるまで時間はかからず、風が出ないのとロータイドというマイナス要因が重なってフレッシュな状態のシーバスが供給されることもほぼなかった。結果的にはそういった状況で口を使うのは得てしてチビサイズになるのだが、それでも貴重なキーパーとしてキャッチした選手も少なくない。プラとは違うサイズへの戸惑いをどう修正していくかがトーナメントタイムの中で求められる厳しい展開であっただろう。
逆にプレッシャーとタイミングを精度の高いフィッシングスタイルで打開したのが4位入賞の小川選手や6位入賞の鈴木選手である。簡単に口を使うサイズのひとまわり大きなサイズをそろえてのウエイインは流石のひとことである。
● 伏兵のポッパーゲーム
GW明けの5月中旬、夏日を思わせる気温の日が続くと急激に浜名湖の表水温は上昇した。これに伴って調子を上げていたのが実はキビレのポッパーゲームだ。ここ数年はフィッシングプレッシャーの高まりでトーナメントにおいてパターンに組み込めるほど安定した釣果を望めないということで、ほぼ忘れ去られていた感が強い。逆に言えばそれほどまでにボトムパターンが強烈だったのであるが…。
そんなポッパーゲームが5月中旬以降調子を上げているとの情報も少しだけあった。しかし近年のHOTではキビレ3本で優勝できるローウエイトの大会は少なくなり、今回に限っては特にマゴチのプリスポーンが絡んでいることや、ビッグサイズのシーバスが絶好調との情報があったため、このキビレポッパーに注目する選手は極少数であり、完全に伏兵となっていた。
しかし、当日のシャローはなんとキビレだらけ。特に庄内湖では反応が非常に良く、シーズン初期というロープレッシャーと、急激な表水温上昇による高活性化でポッパーへのバイトが続いた。このパターンのみでの表彰台入賞者はいなかったが、筆者自身、途中でこの状況に気付き12時半すぎにキビレをポッパーでキャッチしてウエイトアップに成功、5位入賞を果たしている。
● ボトムワインドの爆発力とビッグマゴチ
そして最後にボトムワインド。今回は本当に厳しい中でのボトムゲームを強いられた選手が大半であったが、結果的にウイニングパターンとなったところにこの釣りの凄さを改めて感じたアングラーも多かったのではないだろうか。優勝の齋藤選手ですらお立ち台のインタビューで「ワンバイトしかなかった」と語っていたが、そのワンバイトが2800gオーバーのビッグマゴチであれば当然狙うべきであるし、3位入賞の松田選手も同じくボトムワインドで2600g超のマゴチ1本での表彰台。
結果がすべてのトーナメントにおいては最終的なウエイトが最重要である。
さらに誰もが翻弄されていたボトムワインドパターンでのキビレの動きを捉え、唯一キビレオンリーでリミットメイクを果たした準優勝の照井選手も流石である。いつもならフラットに散っているスクールを回遊に絡めてキャッチしていくのがセオリーだが、完全にピンスポットで狙い撃ちをして結果を出した。
実に上位3名がボトムワインドでの釣果ということで、やはり浜名湖最強の釣りとしてしばらくは君臨しそうである。このテクニックが全国に広まるのも時間の問題で、完全に浜名湖メイドのテクニックとして注目を浴びる日もそう遠くはないであろう。
優勝 齋藤龍彦選手
優勝は会場を大いに盛り上げてくれたビッグマゴチを仕留めた齋藤龍彦選手。1本で2,845gという強烈なデカさのマゴチをウエイイン。非公式ではあるが、おそらくHOT史上最重量記録のマゴチではないだろうか。エリアは中央航路西側で、人気エリアのさらに南側、シャローウイードの中という攻めにくいスポットで値千金の一発をボトムワインドで仕留めた。
準優勝 照井新一選手
準優勝は唯一キビレでリミットメイクを果たした照井新一選手。2,785gということで優勝の齋藤選手とはわずか60g差。あと一歩というところであったが、絞り込んだスポットにボトムワインドでのアプローチ、トーナメント中のスコアメイクとほぼ完璧にこなして初の表彰台を準優勝で飾った。
第3位 松田秀生選手
第3位は開幕戦を制した松田秀生選手。今回は前回の覇者として一般公募のプレスを同船させてのトーナメントということでいささか緊張気味であったというが、そこはベテラン。きっちりと1本で2,615gのビッグマゴチをウエイイン。使用したのも開幕戦とほぼ同じボトムワインドタックルで、エリアは中央航路西側であるが、優勝の齋藤選手のエリアよりもかなり北上したフラットエリアであった。
第4位 小川貴朗選手
第4位はシーバスでリミットメイクし2,465gをウエイインした小川貴朗選手。前情報で釣れていたというシーバスであるが、結果的には小川選手が唯一のシーバスのみでリミットを達成したアングラーとなった。エリアは2番筋周辺でロングビルタイプのミノーを使用して結果を出した。
第5位 小野田賢一選手
第5位はシーバスとキビレを1本ずつで2,360gをウエイインした筆者、小野田賢一選手。最終フライトからスタートした朝イチ、空いていた和田ミオをドリフトトゥイッチャー70Sの高速リトリーブで約1500gのシーバスをキャッチ後、シーバスもボトムも沈黙。12時を過ぎてから閃きで入った庄内湖でキビレがバックファイヤーに連発し約800gをキャッチしたところでタイムアップとなった。