2012 第3戦「Megabass カップ」 大会結果
Megabass Cup CONTENTS | STORY | PATTERN | 3rd STAGE RANKING |
第3戦 STORY
HOT 2012 第3戦Megabass !!
今年も全4戦中半分を消化したHOT。前回から大きく季節が変わり約3ヶ月ぶりの開催となった第3戦。特に夏の間は遠州灘でのオフショアゲームが最盛期を迎えるため、HOT参加者も真夏の夢を追いかけていた者も多かった。
例年というコトバが当てはまらないここ数年の状況を反映するかのように、今年もオフショアでは長期に渡り大量のキハダマグロが湧き、それこそフィーバー状態。全国一キャスティングマグロが熱いフィールドとして遠州灘という名前が知れ渡った年となり、それこそマグロアングラーの遠征先の筆頭となっていたのだ。
そのような状況の中で計画していたHOTオフショアチャレンジは2度とも天候不順のため延期となり10月13日開催予定となった。そして9月に入り、いつまで暑いんだ?と思っていた矢先、急に秋は訪れHOT第3戦当日は非常に肌寒い雨天となった。
今回の冠スポンサーは『Megabass』。地元浜松を代表する言わずと知れた世界的ブランドである。ここ浜名湖でもHOT入賞率が非常に高いMegabass製ルアー。過去、2年連続年間チャンプを獲得した堀選手が当時メインで使用していた「Live-Xマーゲイ」や、脅威の勝率で絶対的王者と言っても誰も疑わない黒田選手が駆使する「X-80BEAT」など、まさに浜名湖を攻略する上でなくてはならない名作ルアーの数々を世に送り出しているのが同社である。
● 前日までの浜名湖の状況
前日までは日中の日差しが強いまま何も考えなければまさに「夏」といった天候。しかしながら朝晩は比較的涼しくなってきた影響で、浜名湖の中は確実に季節が進行していた。9月上旬までは表水温が30℃を超えていたものの、前日には26℃台となっており、さらに土曜日の夜から降り続いた冷たい雨の影響でHOT当日はさらに1℃下がり25℃台のエリアが多かった。
数年前まではこの時期の奥浜名湖ではイージーにシーバスがキャッチできたのだが、ここ3年ほどは沈黙。今年も静かな状態でそれほどキーパーが簡単に釣れる状況ではなく、第2戦まで爆発的な釣果を叩き出したボトム系も沈黙し、マゴチとキビレが表彰台に絡むことはほぼ無いと予想できるほど不調となっていた。そうなると俄然シーバスに対する価値が上昇し、勝ちパターンを模索する上では迷い無くシーバスに手を出すことが可能とも言える状況であった。
● ロータイド(小潮)の上げ
浜名湖で、特に南エリアでルアーフィッシングをする上で非常に重要なのがその潮回りとタイミング。一般的には圧倒的にハイタイドの「下げ」がシーバスを狙う上では間違いなく有利で、過去のHOTの結果を見てもビッグウエイトで決着がついているのはやはりトーナメントタイムに「下げ」のタイミングがハマッた時がほとんどである。ビッグマゴチによるウエイトを除けば5kg台、6kg台を「上げ」で釣ることは非常に困難であり、いかに3kg、4kgといったウエイトをキープできるかが「ロータイドの上げ」ではキモとなる。
これまでのデータから考えると、「上げ」での攻略の糸口は、
【1】 南エリアではシャローよりもブレイク下のシーバス。(堀選手が得意とするパターンで安定感抜群であり、「上げ」でも「下げ」同様に釣れることが実証済み)
【2】 中央浜名湖付近で安定して釣れるボトム系。(ワインドの出現で一躍浜名湖のリミットメイカーとなったこれまた「上げ」でも「下げ」でも安定した釣果が望める)
【3】 タイドによるカレントにフィーディングタイムが左右されない奥浜名湖のシーバス。
といったところが筆者の考える大まかなパターンであった。しかしながらこの考えは(特に【1】が)ことごく粉砕されるのである…。
さらに【2】は予想通りまったくの不発に終わった。
● 「下げ」よりもシビアな「上げ」のタイミング
今回結果的に優勝を飾ったのは一昨年の年間チャンプ、鈴木智久選手。HOTで最も安定感のある同選手が今回狙ったのはもちろんシーバスで、朝イチは中央浜名湖でスクーリングしながらタイミングでフィーディングに入る群れを鳥山を目印に探してキーパーギリギリを早い段階で2本キープ。そして南エリアで狙いのシャローに狙いの時間で入り、メガバスX-70でキッカーをキャッチ。鈴木選手によると特定のシャローに特定のタイミングで入ってくるシーバスがいるとのこと。
なんと4位の黒田選手もほぼ同じことをして結果を出したことから完全に「上げ」を制する要素なのは間違いない。その要素はここで説明するのはムズカシイため…キモは『潮位』とだけお伝えしておきます。
参加者の特権として聞ける優勝インタビューではすべてを語っていただきましたが、本当に奥が深い!というかよくそういうことに気付くなぁ……と思わずにはいられませんでした。
● 年々繊細な攻めが必要となる奥浜名湖
結果として今回の第3戦ではロータイドの「上げ」ということで非常に難しいトーナメントとなった。過去にも同じ潮回りのHOTは何度も開催されているが、それでも突破口を見つけてくる選手に脱帽である。ここ数年、おそらくまず無かった表彰台の全員がシーバスのみでウエイインという事実。マゴチやキビレが1本も混じらなかったということがいかにシビアな状況だったかが伺える。
表彰台の結果を見ると優勝の鈴木選手と4位の黒田選手以外の3名はエリアこそ違うもののすべて奥浜名湖でキャッチしたシーバスでスコアメイク。準優勝の清水選手はホンダ前、3位の堀選手は佐久米沖、5位の田代選手は猪鼻湖といった具合に奥浜名湖ではあるがまったく違う各エリアで、しかもそれぞれがそのワンエリアですべてのシーバスをキャッチ。
これがどういうことを意味するかというと、以前であれば奥浜名湖でシーバスが釣れる時は「広いエリア」で「誰でも」釣ることができ、釣果の差になる要素に少なからず「運」が入っていたのは事実である。
しかしながら今回は「誰でも」釣ることができるシーバスではなく、より繊細な攻めを貫ける選手のみが結果を出してきたと言えるだろう。
● 確固たる狙い
その繊細な攻めの詳細であるが、まず準優勝の清水選手が狙ったホンダ前というエリアは過去何度も優勝者を出しているメジャーエリア。都田川河口に牡蠣棚が絡むスポットで、ここの牡蠣棚は朽ちている部分が非常に多く、通年使用されていないところはレギュレーション上釣り可となっている。
しかしながら当日はクロダイやキビレのエサ釣り(落とし込み)の方々が多く、さらに他の選手とのバッティングを防ぐためプレッシャーの低い『水面下にある隠れ杭』を狙ったのだ。一見すると何もないスポットでも魚探などで確認すると杭が水中にあるエリアが数ヶ所存在する。そこに着いているシーバスに対してタイトにレンジバイブ55ESをアプローチして結果を出した。
3位の堀選手は佐久米沖の『3~6mに落ちるブレイク』に『ベイトがリンクする瞬間だけ』フィーディングモードに入るスクールをワインドで直撃。1時間以上ノーバイトは当たり前だがスイッチが入ると何本掛けたかわからなくなるくらいの連発だったそうである。
さらに浮いた場合はロンジン・キックビートを入れダメ押し。
5位の田代選手は猪鼻湖の1~6mほどに落ちるブレイクに対してシャロー側にボートポジションを取り『ブレイクのショルダーエッジ部分のみを意識』してレンジバイブ55ESをアプローチ。2本のグッドサイズをキャッチし、同船者も同じアプローチでスコアメイクに成功している。
優勝 鈴木智久選手
優勝は安定した試合運びで入れ替えを繰り返し、シーバス3本で4,830gを叩き出した鈴木智久選手。
キモは『潮位』とX-70の『カラー』にあったとか。この『カラー』にはお立ち台インタビューで会場騒然、誰もが一瞬で同じ物が欲しくなったハズ(笑)。この状況下だからこそ同じ7cmのミノーでもカラーリングでのボリュームの差が生まれ、それがバイト数の差にも直結したのである。
気になる『カラー』の詳細はご本人の原稿と、4位の黒田選手の原稿にお任せします!お楽しみに!
準優勝 清水豊記選手
準優勝はホンダ前を攻めきった清水豊記選手。
少ないバイトをモノにするためひたすら粘ったという結果が4,140gリミットメイク。愛艇のチャンピオンにNEW船外機を載せ替えて挑んだ初戦で見事結果を出し、最終戦に今期3度目の表彰台と年間チャンプを射程圏に期待がかかります!
第3位 堀 勝次選手
第3位はシーバスでリミットメイクし3,750gをウエイインした堀勝次選手。
今回はこれまで得意としていた南エリアの調子が上がらないことに気付くと早々に見切りをつけ、奥浜名湖をメインに攻略。HOTでは自身初となる奥のサカナでリミットメイクし表彰台をゲット!どんな状況にもアジャストできる柔軟性がさらに堀選手を進化させており、年間ランキングもトップと1ポイント差の2位となり3度目の年間チャンプ獲得なるか?!
第4位 黒田健史選手
第4位は開幕戦、第2戦と連続してシングル入賞圏外というまさかの展開が続いていた黒田健史選手。
しかしながら2戦ともポイント圏内に入っており、脅威の表彰台獲得率を誇るだけにまだまだ年間チャンプ圏内。
そしてこの第3戦もやはり爆発力は健在で、2本ながらスーパービッグフィッシュが入り2本で3,810g。そのビッグシーバスがライブウエルに入りきらないため元気なうちに中途ウエイインをしたためマイナス100gとなりスコアは3,710gとなった。
第5位 田代享市選手
第5位はうれしいHOT初表彰台をゲットした田代享市選手。
猪鼻湖でグッドサイズのシーバス2本をキャッチして2,625g。あと1本あれば優勝に絡めただけに惜しい!!
開幕戦では6位入賞とあと一歩のところで表彰台を逃していたため、本当におめでとうございます!同選手もまだ年間チャンプ圏内。初優勝と年間、最終戦期待しています!
今大会は朝から天候が不安定で雨も降り、厳しいコンディションでしたが参加者全員のご協力のおかげで無事故で終えることができました。運営スタッフ一同感謝申し上げます。そして次戦の最終戦も各種イベントの準備をしていますので、ぜひHOT初参加のお友達を誘っていただき挑戦していただければ幸いです。
賞品をご提供いただきましたHOT2012スポンサー各社様、本当にありがとうございました!!
今回の恒例HOTじゃんけん大会はこれまでにない盛り上がり!ニンテンドー3DS、プラズマクラスター扇風機、最新コンパクト掃除機、鍋に最適卓上IH、ヘアーカールドライヤー、まぐろの海商お食事券などなど超豪華賞品が集結!
ボートクラブカナルの次男坊じゃんけんケンちゃんが最近出動してくれないため、代わりに自分が…初参戦(笑)強かったのか弱かったのか、、次回も豪華景品を準備予定ですのでお楽しみに!!
さて、第4戦「まぐろの海商&スズキマリン」cupは11月11日に開催予定!はたして年間チャンプの行方は?4月から8ヶ月に及ぶ全4戦がついに終結!!
P.S. 10月13日(悪天候の場合は14日)にはHOTオフショアトーナメントが開催されます!
ぜひぜひこちらもご参加お待ちしております!