第4戦 まぐろの海商 & nada. CUP 結果

 まぐろの海商 & nada. Cup CONTENTS | STORY | PATTERN |  4th STAGE RANKING |

 まぐろの海商    nada.

HOT 第4戦 まぐろの海商 & nada. CUP

 今年もいよいよ最終戦となったHOT2017。最終戦の冠スポンサーはnada.様とまぐろの海商様。

 『nada.』は2年前に黒田健史プロが立ち上げたソルトルアーブランドであり、瞬く間にHOTを席巻。昨年の開幕戦ではVIZLA 7g が、そして今年の開幕戦でもSparrow 14gが、なんと2年連続で開幕戦優勝者がメインで使用したウイニングルアーになっている。5位以内の表彰台メンバーまで範囲を広げれば、昨年からの直近7戦中5戦で表彰台メンバーのうちいずれかの選手がnada.のルアーを使用していたという完全実力主義のブランドとして爆進中です!

 そして、『まぐろの海商』については、毎年HOT最終戦恒例となっているまぐろの解体ショーを提供していただいており、今回も極上のまぐろで大いに盛り上がりました!浜松市中区を中心に絶品の数々を堪能できるお店が5店舗あり、通年旬の素材を最大限活かした料理が楽しめます!筆者の独断で数あるお品の中からひとつご紹介させていただくならば、まぐろの海商有楽本店の「藁焼き」が超絶オススメ!「まぐろの藁焼き」は一年を通して楽しめますが、季節モノの「カツオ」が入荷している時にもし巡り会ったならば・・・“カツオの藁焼き”、絶品中の絶品です!!

 以下にまぐろの海商グループ5店をご紹介いたしますのでぜひご利用くださいませ。

まぐろの海商 有楽本店  ◆浜松市中区田町315-34  ◇TEL 050-5828-7387

まぐろの海商 駅南店  ◆浜松市中区砂山町324-8 第一伊藤ビルB1F  ◇TEL 050-5852-0433

まぐろの海商 凡天(ぼんてん)  ◆浜松市中区中島町4-14-4  ◇050-5284-6518

食べ飲み放題 酔っ家(すいっち)  ◆浜松市中区和地山1-7-18 チサンマンション1F  ◇050-5284-6319

和の馳走 倭(やまと)  ◆浜松市中区田町330-22  ◇TEL 050-5283-1140

 

HOT2017最終戦

 HOTとして運営をスタートして今年はちょうど10年ということで、シーズン開幕当初から計画していた「年間チャンプカップ」が参加者の皆様のおかげでついに完成!全4戦でのシリーズチャンピオンをHOT of the Yearとし、この年間チャンプカップにその名を刻んでいきます。昨年までの過去9人の年間チャンプはすでに刻ませていただき、今回の最終戦で決着するHOT2017シリーズチャンピオンHOT of the Yearは誰が手にしたのか、その模様をお伝えしていこう。

 

前日までの浜名湖

 9月下旬に開催された前回、まさかの夏パターンによる展開でクロダイ&キビレトップウォーターゲームが爆裂した後、10月には2つの台風が通過しイッキに秋が深まる、ハズであった。しかし、台風後の冷え込みが緩く思ったよりも季節が進行しなかったため、浜名湖内の水温も比較的安定していた。ただ、風が強い日が多く、HOT前日も日本海側で急速に発達した低気圧の影響を受け爆風となり十分にプラクティスが出来ないといった状況であった。

 大会前の予想では、季節の進行が遅いもののカタクチイワシや小アジといったベイトが大量に入湖したことからシーバスの個体数は多く、比較的釣りやすい状況となっていたため例年通りシーバス戦と見る選手が多くを占めた。しかしながら、第3戦のようなパターンもあるので、バックアップを含めこの時期度々キーとなるアフタースポーンのキビレを狙うというパターンもどこまで爆発力があるのか見極める必要があり選手を悩ませるファクターとなった。

 

当日の状況

 HOT2017最終戦、天候は曇り時々晴れで前日よりやや冬型の気圧配置が緩んだものの、スタートから帰着まで北西の風が強く吹いた。太陽が雲の隙間から出ない時間の方が多く、アングラーにとっては寒く感じるコンディションであったが水温はさほど下がらず、むしろ強風+ローライトコンディションが重なったことからシーバスを狙うアングラーにとっては追い風になったことは間違いない状況であった。当日のタイドグラフは以下の通り。

 タイドは小潮最終日。舞阪の干潮時刻が6:34で潮位34cm、満潮時刻が13:44で潮位101cm。つまりスタート直後から9時前までは下げ、それ以降は上げというタイミングである。

年間チャンプのデッドヒートがそのまま最終戦の優勝争いへ

 HOT2017最終戦には当日エントリーの方々も多く、今期最多の75名がエントリー。秋が深まりつつある浜名湖へそれぞれの思惑を胸にスタートとなった。

 この第4戦で注目を集めたのはなんと言っても年間チャンプ争いで、第3戦終了時の暫定ランキングは1位が110Pで清水豊記選手、2位が105Pで鈴木孝啓選手となっており、ポイント差だけを見れば暫定5位までの選手に年間チャンプの可能性はあるものの、この2人の勢いを止めるのはもはや不可能、と勝手に筆者は考えていたのだが、ズバリその直感は当たることになる。

 HOT創成期から参加し続けており、近年は運営の役割も担っていただいている清水選手は開幕戦で初優勝。第2戦をなんとか11位で踏み留めると、第3戦は再び優勝とこれまで見放されていた「勝ち」に長年の努力が実った形で結果に繋がり暫定1位。

 対する鈴木選手は豊富なプラクティスと研究熱心さでメキメキと実力を着けてあっという間に昨年のHOT2016年間チャンプのタイトルを獲得。今年も開幕戦9位、第2戦7位、第3戦準優勝と尻上がりに調子を上げ暫定2位となっていた。

 

スタート後1時間で2人だけの勝負に絞られる

 この日のタイドは前述の通り小潮の下げから入るタイミングであったが、この下げてる間こそが最大の勝負タイムであった。開始早々にゲームを動かしたのは暫定2位の鈴木選手。南エリア2番筋にあるブレイクにキッカーとなるシーバスをプラクティスで確認していた同選手は、スタート直後から勝負を仕掛けてまずは7:30頃約2,800gのシーバスをメガバス・メタルエッジ16g(ゴールドチャート)で仕留めることに成功。続けて同エリア同ルアーによって8:00頃には2本目のキッカー約2,500gが入り開始わずか1時間弱で5,000gを超えるハイペース。さらに8:30頃キーパーサイズのクロダイ約700gをキャッチしたところでライブウエルを確認するとキッカーシーバスが1本ひっくり返って弱っているのを確認し、事前ウエイインへ。この間に潮が緩くなり本命エリアは終了。

 

 その頃、暫定1位の清水選手は村櫛エリアのA航路と2.5番筋のブレイクをバスデイ・レンジバイブ70ESと70S(アカキン)で攻めて潮止まり前の8:30頃までにシーバス3本をキャッチしリミットメイク。開始1時間半ほどでこちらもベースウエイトの約5,000gを確保し、年間チャンプ奪取に王手をかけるかたちとなった。今回も清水選手には来年からHOT出場を予定している一般のプレスアングラーが同船しており、この一部始終を目の当たりにして非常にエキサイティングだったはず。清水選手もそのプレッシャーを良い方向に持って行けた朝イチの攻防となったのである。

 

2人の熾烈を極める上げ潮勝負の行方

 魚が弱ってしまったために事前ウエイインで仕切り直しとなった鈴木選手は、潮が変わったタイミングで庄内湖の杭撃ちへ戦略をシフト。苦しみながらも小型のクロダイと入れ替えを果たす推定1,000g超のシーバスをキャッチしてウエイトアップに成功する。

 そして、下げのタイミングでリミットメイクを果たした清水選手は上げになっても同エリアを攻め続けバイトを拾っていくがショートバイトとバラシに悩まされなかなかウエイトアップができない。しかし、そんな状況でも冷静にアプローチを繰り返すと9:20に待望の入れ替えサイズのシーバスをレンジバイブ70ESでキャッチ! 同じエリアを攻めていた筆者も偶然この状況を目撃し、カメラに収めることに成功。この後もコンスタントに反応を得るもののミスが続き、計10発ほどのバイトを誘発したがキャッチはこのシーバスで最後となり、清水選手、鈴木選手共に4本キャッチの1本入れ替えでフィニッシュとなった。

 

注目のウエイイン

 さて、HOT2017最終戦のウエイインは秋らしいハイウエイト戦となった。4kgオーバーが5人という結果と、75名中39名がウエイインに成功したのである。かなり久しぶりにウエイイン率52%となり過半数を超えた。

 そしてHOT2017最終戦の優勝は、朝イチの狙いすましたキッカー2本で勝負を決めた年間暫定2位の鈴木孝啓選手!ウイニングウエイトは圧巻の6,210gである。昨年の年間チャンプは意外にもこれがHOT初優勝ということで、この土壇場でこれ以上ない最高の結果を出して見せた。恐るべき集中力と情熱に感服するばかりであるが、もう1人の年間チャンプ候補が黙ってはいなかったのである。

 鈴木選手と清水選手の年間ポイントの差はたった5Pであり、この時点で清水選手が7位以下であれば鈴木選手の2年連続年間チャンプが決まる。清水選手にとってこれは決して低いハードルではない。HOTで6位以内に入ることの難しさは参加選手であれば誰もが知っている困難さである。

 しかしながらなんと、暫定年間ランキング1位の清水豊記選手はこのプレッシャーがかかる中でキッチリと5,890gを持ち込んで準優勝!なんというデッドヒート!過去に例がないほどの劇的な幕切れとなったのである。開幕戦で苦節10年の初優勝をしたかと思えば第3戦で再び頂点に立ち、この最終戦でもあわや史上初の1シーズン3勝目にあとわずか、というHOT10年40戦の歴史上間違いなくトップクラスのハイレベルな展開であった。

 年間ランキングの最終リザルトは、清水選手が149P、鈴木選手が145Pというとてつもない獲得ポイントである。全戦優勝で40P×4戦=160Pであるが、4回のトーナメントで清水選手より前の順位にいたのはトータルでたった11名だけであり、4戦の述べ参加人数は255名であることからいかに強かったかがわかる。ちなみに清水選手の今年の平均順位は3.75位である。

 2012年から参加選手の増加に伴いそれまでは優勝で30P、20位で11Pだったルールを、優勝40P、30位11Pと改定して以降の年間チャンプの最終合計ポイントは以下の通りであった。2012年121P、2013年140P、2014年137P、2015年147P、2016年124Pという結果と比較しても今年の清水選手が過去の直近5年のHOTにおいてもいかにスゴかったのかが際立つ結果と言える。間違いなく現時点でHOT最強の年間チャンプであるのだ。

 この結果を受けて、最終戦では追う立場の前年チャンプ鈴木選手からすればこれ以上ない結果を残したもののあと一歩届かずといったところで、『相手が強過ぎた』とこぼさざるを得なかった。しかしながら鈴木選手の年間ポイントも145Pということで過去5年を振り返ってもそれを上回っているのは2015年の年間チャンプ、堀選手が獲得した147Pに次ぐ結果である。本当に素晴らしい戦いをしてくれた同選手には脱帽である。

 

最終戦の表彰台

 そして第3位には嬉しい初表彰台となる太田和正選手がもう少しで5kgオーバーという4,910gを持ち込んで年間チャンプ争いを繰り広げた2名の後に続いた。最近HOTではノーマークのS字航路周辺にある変化をnada.スパロー14g(アカキン・nada.カラー)で攻めてシーバス2本をキャッチ後、ダメ押しの一撃をスミス・Dコンタクト(アユ)で仕留めてリミットメイク!これまでのHOTであまりに釣れなかったので表彰台に立ったら引退、と言っていた矢先の第3位で、「これで心置きなく引退できる」と表彰式後に筆者へ語ってくれたが…。表彰台のてっぺんの景色、ぜひそこを見てから引退で! よろしくお願いいたします!! 来シーズン、引退宣言撤回の全戦エントリーお待ちしております!!

 第4位は4,530gをウエイインした堀勝次選手。村櫛漁港前からS字航路南側にかけてのブレイクでロンジン・ランブルビート(縦ホロ)を使いシーバスでリミットメイク。上げに変わった後に十分潮が効き始めたタイミングの10時過ぎにプライムタイムが訪れ、怒涛の3連発!一瞬のチャンスを逃さずモノにして表彰台へ上がるその卓越した能力はやはり凄いのひとことである。

 第5位は4年の努力がついに実った伊藤彰選手。内山選手のバックシートで計8戦を経験後、マイボートで参戦するようになってから今回の8戦目でようやく自分の力で掴んだ表彰台!筆者の記憶が正しければ、HOTの前身である浜名湖シーバスオープンまで遡っても、10代で表彰台に立った選手はいるが全員バックシートであり、つまり戦略等はボーター任せ。プラクティスから本戦まですべてを一人でこなし、“完全に自分の力だけ”でHOTの表彰台を勝ち取ったのは伊藤選手がHOT史上初であり最年少記録のはずである。

 伊藤選手の強いところは、このSNS時代においても情報に左右されないところであり、4年間で培った浜名湖ベーシックスタイルを自分のフィッシングスタイルに融合させ、その歯車がやっと噛み合い始めたタイミングで今回の表彰台という結果が出た。実は今までも何度か表彰台に立ってもおかしくないウエイトに届きかけてはいたが、ほんの少しの詰めの甘さやミスに泣いていたのを筆者は知っている。言わば今回の結果は必然であり、近い将来手にするであろうHOT優勝と、その先にある年間チャンプHOT of the Yearの道への通過点、あるいは序章であると筆者は勝手に考えている。ヤングアングラーのみんな!! 伊藤彰に負けないようにガンバレ!!

 と、HOT運営全体で応援しているヤングアングラーの一人が結果を出したことにテンション上がってパターンを一文字も書いていないが、伊藤選手はシーバスでリミットメイクし4,140gをウエイイン。庄内湖にある崩れ杭の中でも他の選手がやらないシャローに点在するスポットを丁寧にnada.スパロー14g(カラフル・アカキン・nada.カラー)で撃ち抜き結果を出した。

 そして、今回の冠スポンサーnada.様より、最終戦でウエイインに成功した選手にもれなくnada.のルアーを黒田プロより1つずつプレゼントしていただきました!ありがとうございました!!

 

今回もやります!! HOTだから解る! 驚愕のヒットデータ

 シーバスに関してはキーパーサイズがフィールド全体にくまなく散っておりタイドによるカレントがあまり関係してこないエリアでも多くキャッチされているため、スタートからコンスタントに釣れていた。おそらく前述した天候による変化の無さも要因であろう。終始ローライトコンディションであり、風向きや風速もほとんど変わらずにシーバスが良く口を使う条件が続いたと考えるべきかと思う。

 対してキビレについては圧倒的に上げ潮の時間帯がよく釣れている。キャッチされたキビレの大部分がボトムワインドでの釣果であるが、狙うエリアの多くが浜名湖の中間よりも奥がメインとなるため、上げが十分に効き出す9:30以降に釣果が集中した。

  キビレ クロダイ マゴチ シーバス ヒラメ
~7:30       2  
~8:00 1     9  
~8:30   1   9  
~9:00       4  
~9:30 7     6  
~10:00 3     3  
~10:30 5     9  
~11:00     1 6  
~11:30 5     6  
~12:00       1  

 

恒例のまぐろ解体ショー

 HOTではもはや恒例行事とも言うべき冠スポンサーである「まぐろの海商」様によるまぐろの解体ショーは今年も表彰式後に提供いただきました!
 超絶美味いまぐろを本当にありがとうございました!参加選手とそのご家族とともに大変楽しい時間を過ごすことが出来て今年もHOTが閉幕となりました。

 

次の時代へ

 HOT2017はこれで全日程が終了し、今シーズンも無事に終えることができました。これは参加選手全員のご協力のおかげであり、また大会を支えていただいた協賛スポンサー各社様のおかげです。浜名湖オープントーナメントに携わっていただいたすべての方々に感謝いたします。本当にありがとうございました。

 来シーズン、HOT2018もすでに始動しておりますので、また11年目のHOTをよろしくお願いいたします。そして、参加者の皆様、ぜひ来シーズンも多くの釣り仲間やご家族をお誘いいただき気軽にトーナメントでしか味わうことのできないドキドキをみんなで楽しみましょう!昨年行った次世代対策のヤングアングラーへのサポートも功を奏し、今年はコンスタントに参加者の15%程度が20代以下のアングラーということで非常に活気が出て盛り上がりました!

 ボートフィッシングということで、ヤングアングラーに限らずなかなか敷居が高いと感じてしまう方々も多いかと思いますが、少しでもHOTに興味をお持ちの方はぜひ会場のボートクラブカナルへお問い合わせください。ボートを持っていなくても、免許を持っていなくても、様々なサポートをHOT実行委員会でさせていただきますのでぜひお気軽にお問い合わせください。来シーズンも新たなアングラーとの出合いをHOT参加者全員で楽しみにしております!

 

 (report:小野田賢一) 
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