2011 第3戦「Megabassカップ」 大会結果

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第3戦 STORY

これが浜名湖の大潮だ!! HOT 第3戦 Megabass cup !!  メガバス

 浜名湖オープントーナメント第2戦からおよそ2ヶ月半。直前の前週には日本各地に甚大な被害を及ぼした台風12号が浜名湖にも接近。HOT開催5日前にようやく長雨から開放されギリギリ回復。真夏の高水温から一変、大量の真水(雨)の流入と遠州灘からの底荒れした潮の浸入がどう影響するか、少ないプラクティスタイムを思い思いに過ごした77名の選手が会場のボートクラブカナルへ集結した。

● 前日までの浜名湖の状況

 浜名湖の状況は台風通過直後の濁りは徐々に取れ始め、エリアによってかなり水色は回復、さらに回復一歩手前という普段に比べたら「ササ濁り」状態で、シーバスなどの警戒心を薄れさせるにはちょうどいいくらいの濁りが残るエリアも多くなっていた。

 さらに晩夏から初秋にかけて見られる様々な種類のベイトも大量に目で確認でき、一見めちゃくちゃ釣れそうな状況。ただ、昨年に続き今年もなぜか奥浜名湖のオープンエリアにはシーバスのスクールがほとんど見られずイージーフィッシュは皆無・・・。これには参加選手も頭を痛め前日プラで早々に奥浜名湖を見切る選手が続出となった。

 一方で今年大ブレイクしたマゴチもその爆発力はもはや跡形も無く、釣れるのはスモールサイズが少々という程度。ボトムワインドのもうひとつのターゲット、キビレもまったく反応がないと開幕戦優勝の前原選手からは焦りの色が感じられ、さらに一瞬爆発的に釣れたキビレのポッパーパターンも前日にはほぼ消滅。筆者も前日にキビレをキャッチしていたが、到底勝ちパターンとなるとは思えなかった。どうやらシーバスメインの勝負になるのは明白。当日は大潮のハイタイド、下げの浜名湖を制する者がHOT第3戦を制することは確実となった。

 

● 強い東風と大潮の強烈なカレント

 第3戦は7時にフライト開始。帰着の13時まで選手は絞りに絞ったプランで浜名湖を攻略。スタート時には小雨が降っていたが、1時間もしないうちに完全にあがりそれからは晴れたり曇ったり。風は終始東よりの強風が吹きつけエリア、時間帯などによって北東になったり南東になったりとボートコントロールには非常に気を使う状況。さらに大潮ということもあり普段以上にカレント(流れ)は急で強風と重なったことでなかなかキャスティングポジションを確保するのも難しいなかなか厳しいコンディションであった。

● 「大潮」+「下げ」=『シーバス爆発!!』

 予想通り今回はシーバスをキャッチしてくる選手が大半となり、ウエイインに成功した25名が持ち込んだ魚の総数は40本。うち27本がシーバス、マゴチが8本、クロダイが3枚、キビレ1枚、ヒラメが1枚という結果。

 その中で圧倒的にキーパーをキャッチしていたのが以前2年連続年間チャンプという圧倒的な強さを持っている堀選手。なんと20本以上のシーバスをキャッチし楽々リミットメイク。しかしながら釣っても釣っても50cm前後止まりでどうしてもキッカーが入らなかったということで、この結果からもキーパーとは明らかに違う行動をしているキッカーフィッシュの当日の様子が想像できる。ヒットルアーはお決まりのメガバス・ライブXマーゲイSW、各ブレイク絡みのスポットを撃ってのスコアメイク。2500gで7位入賞。

● 勝負の行方は?

 さてさて、今回のウエイイン率は32.4%。前回と比較するとかなり厳しい状況だったワケですが、爆発してるエリアでは本当に大爆発!!それを証明するかのようになんと表彰台の5人中4人が同船者ということで、つまり2艇で2人ずつの4人が同時に結果を出したということです。この4人はもちろん全員リミットメイク。1匹だけクロダイが混じってますがあとはシーバスということで、バレやすくキャッチが容易ではないシーバスを4人が揃えてくるということは、いかに爆発していたか、いかにヒットが多かったかを意味しています。それぞれボーターの方に話を聞くとエリア自体は近いもののまったく別のシャローエリアで、双方ともにごく狭いピンスポットから爆発的ヒットが短時間のうちに起こりそれを逃さずチャンスをモノにしたということで、これぞ「大潮」の「下げ」、大爆発パターン!!過去のHOT、季節は違うものの何度もこの大潮の下げパターンが爆発したときは、ほぼ確実に優勝者を出している超強力パターンであるのは紛れもない事実。

 そしてこの大潮の下げパターンの第一人者、中津川選手が6,360gを叩き出し、さらに同船者の伊藤選手も5,350gというビッグウエイトで会場を沸かせ残るは第2戦の覇者、黒田選手のウエイインを待つばかりとなった。

● 完璧なる状況判断

 2連勝がかかった黒田選手がウエイインステージに現れると会場は何とも言えない緊張感で包まれウエイインされるサカナが一本ずつ検量台に乗せられる。目測のサイズでは非常に微妙!!4キロ台ではないのは明白だが6キロはどうか?という見た目。結果、なんと5,520g。この瞬間、大潮の下げを得意とする中津川選手の優勝が決まった。

 しかしながら黒田選手はこれで3戦連続の表彰台。開幕戦準優勝、第2戦優勝、第3戦準優勝と圧倒的すぎる強さ。平均順位、1.67位。2位か優勝か・・・笑うしかないくらいスゴイです。しかも今回はこれまで動画で公開してきたストラクチャーの釣りからベイトフィッシュの動きを読んだサイトフィッシングでの展開。プラクティスでの状況判断から当日の組み立てまで完璧にこなすこのレベルはもはや誰にも超えられないのか?

 さて浜名湖オープントーナメント2011最終戦「まぐろの海商」cupは11月6日に開催予定!
 今年もまぐろの海商様より丸ごと1本巨大生マグロをご提供いただく予定です!!そしてお楽しみのBBQに各種B級グルメ、地元食材を生かしたメニューをご用意!なお今年はHOT参加者とそのご家族、彼女様のみが参加できますのでご了承ください。

 もちろんHOT協賛スポンサー様によるミニフィッシングショーも開催いたします!ぜひ当日は奮ってご参加ください!!

  

● 上位入賞者のパターン

 浜名湖オープントーナメント第3戦の上位5名の結果とパターンは以下の通り。原稿作成にご協力いただきありがとうございました。

 

優勝 中津川統三選手

 優勝はビッグサイズのシーバス3本で6,360gを叩き出した中津川統三選手。浜名湖の大潮で下げパターンと言えば中津川さん、と言われるほどこの状況にはめっぽう強い。これまで過去のHOTで何人もこの中津川さんから手ほどきを受けた面々が優勝、または上位入賞を果たしている。ただ当のご本人は初優勝!エリアは村櫛ミオ、2番と3番のちょうど中間にある航路で通称2.5番やA航路と呼ばれている筋にあるピンスポット。ここ1ヶ所のみで訪れたジアイを逃さず、同船者で3位入賞の伊藤選手とダブルヒットも数回あったという爆発っぷりの展開でイッキにリミットメイク。使用ルアーはメガバス・X-80BEATと6cmミノーを使い分けて攻略。シャローをボトムノックさせることがキモだったという。 →【詳細レポートはコチラ】

準優勝 黒田健史選手

 準優勝は強すぎる・・・5,520gをスコアメイクした黒田選手。プラクティスの段階から今回はいつもメインにしている1番筋のストラクチャーフィッシュは極端に数が少ないことでバッサリと切り捨て。動画で公開していることもあり絶えず誰かが撃つというハイプレッシャーも考慮し極力深追いせず、しかしながらそれでもクロダイを1枚絞り出したそのテクニックに驚愕。メインはあくまでプラ途中に気付いた水面を漂う「サヨリ」に付いたシーバス。山中湖などでも有名な風でベイトが流されるパターンをうまくハメ、狙うスポットは東風の風下となるエリアのみ。泳力の弱いサヨリが風下に流されるスポットにシーバスが見えたという。それらをメガバスX-68 BAY CATをメインに攻略!クロダイ狙いにX-80BEATを使用と完全なる自分スタイルで準優勝。またまた動画はお楽しみに!!  『僕達。』の革命日記~浜名湖編~  →【詳細レポートはコチラ】

第3位 伊藤剛志選手

 第3位は優勝の中津川選手と同船していた伊藤剛志選手。黒田選手に170g差の5,350gをウエイイン。伊藤選手と中津川選手の「下げ」最強コンビ、体はデカイけど釣りは超繊細!今回も得意のエリアと状況ということだったが日々シーバスの反応は違うということでこの日も2人で違うルアー、違うアクションを試し続け答えを見つけたとのこと。その正解パターンは優勝の中津川選手のところで紹介したミノーのボトムノックパターン。砂煙をあげてくるイメージで水面へ飛び出さないようにコントロールしたジャークに反応してきたそうです。使用ルアーはすべてメガバス・X-80BEAT。 →【詳細レポートはコチラ】

第4位 内山徹選手

 第4位は今年絶好調の内山徹選手。前回のマゴチもピンスポットから絞り出してきたが今回も2番筋シャローのピンスポットからメガバス・X-80BEATでシーバスをキャッチ!釣れている時間はそれほど長い時間ではなかったものの確実に1本ずつ仕留めて4,760gをマーク。いつもならもう少し上位のところが今回はかなりのハイウエイト戦で惜しくも4位。しかしながら抜群の安定感で最終戦の年間ランキング争いに期待がかかります! →【詳細レポートはコチラ】

第5位 清水豊記選手

 第5位は4位の内山選手と同船の清水豊記選手。ナイスサイズのクロダイを1枚混ぜ2,940gでリミットメイク。今大会の表彰台で唯一バイブで釣ってきた当選手。使用ルアーはバスデイ・レンジバイブ55ESとバスデイ・シュガーミノー・ドリフトトゥイッチャー70S。 →【詳細レポートはコチラ】

● もうひとつの勝因

 今回のHOTで隠れた勝因のひとつが『エレキ』であることは間違いない。表彰台の5人、正確には5人が使用していたボート3艇にはすべてエレキが搭載されていた。非常に強い東風に加え、ハイタイドによる強い流れ、これを複雑な浜名湖の地形に照らし合わせ僅かなヒットゾーンへルアーをキャストすることは非常に困難な状況。というか、先に紹介した表彰台の4人はそれぞれのボートでまったく同じピンスポットからサカナを絞り出しているためもしエレキがなかったら絶対に成り立たない釣りなのは誰が見ても明白。もしエレキ無しで流して釣っていた場合を考えてみると、たまたまそのピンスポットに運良くルアーが入っても釣れるのは1本のみ。やり取りをしてライブウエルに収める頃にはすでに数百メートルも流されているでしょう。おそらくエンジンで戻るころにはすでに祭は終わって、もしくは群れがボートの通過でプレッシャーがかかって・・・。といった感じだと思います。やはりこういった強風、ハイタイドの条件下でのエレキは抜群の威力を誇り、GPS魚探や高馬力エンジン、その他いろいろな装備よりもエレキの存在が釣果に直結しているのはもはや何の疑いもできない事実だと証明されました。

 (report:小野田賢一) 

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