2012 第4戦「SUZUKI MARINE & まぐろの海商 カップ」 大会結果

 SUZUKI MARINE & まぐろの海商 Cup CONTENTS | STORY | PATTERN | 4th STAGE RANKING |

 

小野田賢一 選手

2012年第4戦「SUZUKI MARINE & まぐろの海商 Cup」 優勝
小野田賢一
ウエイト
6,675g (シーバス×3)
フィッシング・エリア
 
フィッシング・パターン
 

 まず、HOT参加者のみなさん、HOT協賛各社様、そしてHOTを注目しこうしてホームページを見ていただいているすべての方々、今年2012年のシーズンも皆様のご協力のおかげで無事すべての日程を終えることができました。本当にありがとうございました。また来年もHOTをよろしくお願いいたします。

 さて、今回の優勝は本当に自分にとって大きな出来事で非常に嬉しく、6年ぶりというか初優勝に近い感覚であった。正直6年前の優勝は1本のみのウエイインで、ドシャ降りの雨の中、まったくのノーフィッシュで迎えた残り時間あと10分、ヤケクソでキャストしたバイブにたまたま2700gがヒットした…というもの。完全に運での優勝だった。
 その後、シーバスオープンの名称をHOTに変更し、ルール改正を行い、自分が運営に携わるようになってから本当に低調な成績しか出せないトーナメントが続いた。いつだったか、1年間4試合出場して1本しかウエイインできない年もあった。スポンサーとの連携やHOT運営上の事務など確かに忙しいが、プロアングラーであり、プロガイドである以上そうも言ってられないのが現実だ。不甲斐ない成績続きでガイドゲストには後ろめたさもあったのが正直なところだ。
 しかし、そんな間にも堀選手や黒田選手、鈴木選手、前原選手といった実力派アングラーが次々に結果を出し続けていく中、努力を辞めたら本当に腐っちゃう…と思い地道に経験値を重ねていくことだけは怠らなかった。そんな中でプロである自分が恥を承知でいろいろと質問しても快く教えてくれた前述の4選手、その他にもカナルメンバーたちには本当に感謝!

 前置きがとても長くなってしまったが、今回の状況を簡単に。まず前週のプリプラクティスは子守のため2日間入れず情報のみ。みんなやたら釣れるということで、エリアは村櫛ミオ周辺と庄内湖入口西側とだけ確認。水曜日のガイド時にオフショアでシーバスと遊びながらも湖内の要所をチェックしながら釣り流すと、確かにみんなが言うとおりの爆釣れ。こりゃすごいな、てことでまぁ続かんでしょと思いながら前日プラクティスへ。
 前日プラでは朝イチにとりあえずみんなが知っているエリアを1時間半ランガンすると驚くことにその多くで反応があり、4本キャッチ!上から3本で9,500gを超えるという大爆発となった。ここで前日プラの作戦変更を余儀なくされ、この状況ではよほどのことがない限り明日も釣れてしまう。大本命の庄内湖西側ブレイクは定番すぎて情報がすでにまわりきっているため、大船団は必至。プレッシャーで潰れることを願い、違うスポットを探すことに。それまでにキャッチした4本のうち1本はシーバスがいることを確かめるために入った激戦区庄内西、残り3本中2本が70アップだったが、他選手が得意とするそれぞれ違うピンスポットで抜いたため、明日までに供給が無い限り釣れないハズなのでこの日の朝のウエイトは一度リセットすることにした。

 ここまででわかったことは、
 過去の南エリアでの表彰台エリアほぼすべてにシーバスが入っている。
 大小かかわらず、地形変化には必ずシーバスがついている。
 バイトレンジが浅く、ブレイク下にはいない。ショルダーかシャローにいる。
 ルアーは圧倒的にX-80BEATが強く、ジャークよりもタダ巻きに反応が良い。
 やはり庄内湖入口から村櫛ミオにかけてのエリアが魚影は濃い

 そこで考えたプランが、庄内西側の大爆発しているエリアに極力似ていて、距離的にこのエリアから近くシーバスが入っている可能性があり誰もやらない場所…ボートで走行中に閃いたのが『はまゆう大橋周辺』であった。過去の魚探がけにより「ブレイクの入り方」、「地形変化」、「潮の当たり方」、すべてをほぼ完璧に把握していたのでチェックする価値はあると思い、南に走っていたバウをUターンさせ北へ向かった。

 正直に言うとまったく根拠はなかった。確か堀選手の影響でマーゲイが流行った頃から、地形が良いので以前からチェックはし続けていたが、ただの1本のシーバスもキャッチしたことはなかった。唯一やる時期はキビレをポッパーで狙うときのみ。しかしながらこのゲームも地形変化が非常に重要なので庄内湖ほぼすべてを魚探チェック済みであったのも事実である。
 そして運命のキャストとなった数キャスト目、シャロー側にキャストしたX-80BEATがブレイクに差し掛かった瞬間にドスン!というバイト。難なく60アップのシーバスをキャッチでき、そこから同船者を含め怒涛の連発となった。これは凄いことが起こった、と内心思いつつ前日プラを終えた。
 実ははまゆう大橋周辺には至るところに浚渫があり、水中岬やワンド、急深ブレイク、そこに天然牡蠣などによって形成されたハードボトムが絡むスポットなど、自分が把握しているだけでも十数か所のピンスポットが存在する。HOT当日は前日に釣れたスポットはもちろん、プラで叩いていないピンも撃つことに決め当日を迎えた。

 フライトはビリから4番目。早いフライトであれば前日に70アップをキャッチした「みんなが知ってるピンスポット」に入り、夜の間に再供給されてる可能性があるシーバスをキャッチしようと考えていたがそのプランは崩れ去り、スタート後はまず各エリアへのボートの入り方に注目した。予想通り庄内西側は大船団、堀選手と黒田選手、内山選手や清水選手の位置を確認し自分が攻めるべきエリアを決める。朝の30分はまずモーニングバイトを極力自分以外の選手に拾われないことを目標に大場所をランガンで撃ちまくる。釣れなくてもプレッシャーがかかるだけでもOKという考えでとにかく庄内から2番筋を走り回った。一通り叩いたところで予想通り(?)ノーフィッシュだったので、自分の本命エリア、はまゆう大橋周辺へ入る。そしてこれも予想通り、当然誰もいない。

 本当は本命スポットに入る前に1本は釣れると思っていたのだが(前日の釣れ方はそう期待させる釣れ方だった)、予想外のノーバイト。これには原因があり、おそらくみんなも気付いていた通り、前日よりも潮が澄んでいたことが影響したと思う。そこにきて普段以上のボートの数。この釣れなさはまさに自分にチャンスが巡ってきたと感じずにはいられなかった。みんなが潰し合ってくれれば…。

 しかし同時にそれは自分のエリアでも同じだった。潮が澄み、前日のようにバイトがない。一瞬焦ったが冷静にX-80BEATをキャストし続けると待望のバイト! しかしこれをミスしてバラしてしまう。前日あれだけ釣って1本しかバラさなかったのに本番ではコレだ…。
 朝イチのバイトをミスしているようじゃ勝ちはないな、と開き直り冷静に分析。おそらく前日の笹濁りがクリアになっているのでバイトが浅いと判断。ちょっとだけタダ巻きのスピードを上げ、よりルアーを見せる時間を短くしリアクション要素を増やすと次のバイトはガッツリとフッキング。狙いの2kgフィッシュが入り一安心。
 さらに続けてスポットをランガンすると今度はピックアップ直前で足元バイト!リアフック1本だったが、がまかつトレブルRBMH♯5ががんばってくれて値千金のギリギリフッキングで2本目の2kgオーバーをキャッチ。そしてすぐにちょっと小ぶりだが2kg弱を追加して8時40分にリミットメイク。

 ピンスポットのランガンも2周目に入りバイトが遠くなったのでX-80BEATのカラーをGGイワシからキンクロにチェンジ。するとまたバイトが出だし、はまゆう大橋周辺で最大規模の水中岬先端でこの日最大の2500g近いシーバスをキャッチし入れ替え。さらにこの日すでに1本釣っている別の水中岬で時間を変え2本を追加したがこれは両方ともに1900g台で入れ替えならず。最後までこれ以上のウエイトアップはできずウエイインへ向かった。

 70アップの3kgフィッシュが入らなかったことから、誰かが必ず8kg釣ってくると思っていたので優勝はないな、と思っていたが、想像以上に南エリアが沈黙しており結果的に運良く勝つことができた。

 今回の勝因は何と言ってもエリアセレクトに尽きる。トーナメンターとして裏をかくことはいつでも考えているが、そうそう上手くいくものではない。これほどキレイにハマッたことは今までないし、自分でも驚くくらい冷静な試合運びができたが、まだまだ浜名湖には釣れるエリア、釣れるスポット、釣れるルアーが隠れてるんだな…と改めて思った。先週の土曜日の朝までは『釣れない』と思っていたエリアが、完璧なるパターンを構築して『優勝エリア』となる…。
 本当に浜名湖は面白い。

 そしてもうひとつの勝因はなんと言ってもタックル。自分はコレじゃなきゃダメ、なんてことはまったくもって言うつもりはないが、自分のスタイルとその時のテクニックに合った道具を選ぶことが非常に重要だと思う。ここ数年試行錯誤していたのが組み合わせるライン。PEをメインにしてきたがどうしてもバレやすくフックへのダメージも大きいので、特にタダ巻きの釣りでは頭を痛めているところであった。黒田選手を参考に細めのフロロも使ったが自分には合わず、サンラインの担当者の方からオススメいただいた磯釣り用のナイロンラインがバッチリと自分のスタイルにハマることを発見。ロッドもラインが伸びる分低弾性の斬鱸ではなく、張りのある高弾性の斬鱸GTを組み合わせることで遠目のポジションでのバイトにも対応できるようになった。

 最後に自分を支えてくれているスポンサー各社、がまかつ様、サンライン様、バスデイ様、スミス様、ボートクラブカナルの柴田社長、仲間のみんな、そして最大の理解者である家族に感謝いたします。ありがとうございました。

 

Tackle Date

◆Tackle Set 1
ロッド がまかつ LUXXEデッキステージ斬鱸GT S66M-F
リール スピニング2500
ライン サンライン 磯スペシャルテクニシャンTypeTC ♯2
リーダー サンライン 松田スペシャル競技ブラックストリーム ♯4
ルアー メガバスX-80BEAT (GGイワシ・キンクロ)
フック がまかつ トレブルRBMH♯5
スナップ がまかつ 音速パワースナップ size S

◆Tackle Set 2
ロッド がまかつ LUXXEデッキステージ斬鱸GT S66M-F
リール スピニング2500
ライン サンライン 磯スペシャルテクニシャンハイカラーTypeTC-H ♯2
リーダー サンライン 松田スペシャル競技ブラックストリーム ♯4
ルアー バスデイ レンジバイブ70ES
フック がまかつ トレブルSPMH♯6
スナップ がまかつ 音速パワースナップ size M

◆Tackle Set 3
ロッド がまかつ LUXXEデッキステージ斬鱸 S66M-F
リール スピニング2500
ライン サンライン CAST AWAY PE ♯0.8
リーダー サンライン システムショックリーダーFC 16lb.
ルアー スミス A-Prop シーバスエディション
フック がまかつ トレブルSPMH♯5
スナップ がまかつ 音速パワースナップ size M

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